「タカコ・ナカムラのWhole Foodでいこう」タカコ・ナカムラ著
「タカコ・ナカムラのWhole Foodでいこう」
タカコ・ナカムラ著
2005年9月15日初版 自然食通信社刊
東京は表参道で「ブラウンライス,カフェ」を営まれている,タカコ・ナカムラさんが同カフェを始められるまでの経緯を自身の半生を織りまぜながら,自然食・オーガニック食品・製品についてのこだわりを情熱的につづられています。
”Whole Food”は単純に訳すと「まるごとの食べ物」となり,「食べ物をまるごと食べる」ことを指針とするローフードのキー概念と考えてしまいますが,この本で”Whole Food”とは,自然食材・オーガニック食品を使い,マクロビオティックを料理の基本としながらもその「作法」とらわれない,もうすこし緩いナカムラさん独自の食べ物の概念です。
それを端的に表しているのが「勝ち越しの食事」というテーゼです。何食かは外食したり,インスタント食品をとっても,一週間を通せば,体にいい食生活になるように心がけるというもので,マクロビ料理だけ,野菜しか食べないというわけではないというわけです。
後半の第3章以降は,「ブラウンライス,カフェ」の運営の内情や,それに関わっておられる食材生産者の方々を丁寧かつ友情をもって紹介されています。今ではすでに有名になった「もぎ豆腐店」,「松田のマヨネーズ」なども紹介されています。
本書は刊行が2005年と現在からすでに8年経っていますが,内容的にはまったく古くなっていません。
「リマ・クッキング」,「ナチュラルハウス」,「ルヴァン」を代表とするオーガニック業界の紹介,米作りなど生産者さんたちのの交流,そして私生活。それらがナカムラさん生きた方を通して綴られていて,単なるオーガニックな食生活の提案を越えた,半自伝的なオーガニックな(“Whole Food”な)生き方ガイドとなっています。